建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-69 ターンバックル屋根ブレースのワーキングポイント

 屋根ブレース(ターンバックルブレース)において,必ず交差する部材心を結ぶよう指示される場合があります。形状によっては,ガセットプレートが他の部材と干渉したり,梁側の高力ボルトの締付が困難となったりします。また,主梁側にガセットプレートが溶接できなかったり,ブレースセンターの軸線からガセットプレートの溶接が大きく外れたりします。
 屋根ブレースの軸線を少しずらして,梁に取付けるガセットプレートに注意し,接続することはダメなのでしょうか。


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A

 屋根ブレースの軸心と柱梁の部材心との取り合い方法のご質問だと思います。
 図1の場合はブレース心が柱梁の部材心と結ばれており,力の流れはそのまま部材間で伝達されますが,図2,図3の場合はブレース心と柱梁の部材心が結ばれずに偏心して取り合っています。このため偏心による二次モーメントが発生することとなり,偏心モーメントを考慮した梁の検討が必要となります。
 ターンバックルブレースの場合は,水平ブレースが負担するせん断力もアングルブレースなどと比較すると小さいですので,偏心モーメントを考慮しても柱梁部材耐力に余裕があり問題ない場合も多いと思いますので,構造設計者に変更を強く促すべきです。

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