建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

2-17 造船用鋼材の使用部位

 造船用鋼材で KA 材という鋼材があります。この材料を例えば ALC 受けの捨て板や手摺受けなどの仮設関係に使用する事は可能でしょうか。

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A

 KA材は造船用の鋼材で日本海事協会規格材(NK材)です。KA材の機械的性質と化学成分を比較した日本溶接協会の接合・溶接技術Q&A 「造船用鋼材と橋梁用鋼材規格の比較」を下に示します。
 この資料ではJIS規格とNK規格を比較して「JIS規格は一般的な鋼構造物に使用される鋼材の規格,NK規格は船舶の構造材として用いるのに最も適した鋼材規格であるためJIS規格に比較して細部に渡って規定されている」と述べています。
 KA材の引張強度の下限値はSS400と同様ですが,化学成分は厳しく設定されており,JIS G3106(溶接構造用圧延鋼材)のSM400Aに相当すると考えることができます。
 建築基準法でいう指定建築材料でないので主要構造部等には使用できませんが,これに該当しない個所,ALC受けの捨てプレート,手摺受け等仮設材であれば問題なく使用できると考えます。

日本溶接協会の接合・溶接技術Q&A 「造船用鋼材と橋梁用鋼材規格の比較」

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