建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

4-31 合格欠陥に対し手直しを求められた場合の対応

 現場溶接にて合格欠陥(ブローホール等による内部欠陥のきずの評価が不合格とならない場合)が生じることがありますが、検査会社が実施する受入検査よって手直しを求められる場合があります。

 作業の進捗を考えますとやはりそのまま進めたいのですが検査者にそれを問うと直しなさいの一点張りで、それ以上言いますと溶接作業者の変更を求められることもあります。

 何か良い対応などないでしょうか。

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A

 検査会社は設計仕様及び / 又は合意に基づく合否判定基準に則って検査を実施しているはずであり,設計者から定めにない指示が出ている可能性もありますので、補修しなければならない理由を問う必要があるものと考えます。

 合格欠陥を補修するかどうかについては,客先との協議により補修の要否,補修を行う場合の方法などを決めることが大切です。
 なお、合格欠陥を補修する場合には、次のような問題点も協議する必要があります。

・修正に伴うコスト(時間と費用)を誰が負担するのか。このような場合は基本的には追加工事になると考えられる。

・エアアークガウジングにより溶接部を削除し再溶接するために溶接部の性能に影響する可能性が考えられる。

 その後のための対応策として,工事契約に当たって上記のようなケースの処置方法について明確にしておく必要があります。このような契約形態に基づく協議体制が工事当初より構築されていれば、合格欠陥に対して検査会社からの補修要求や溶接技能者の変更要求にならないはずです。

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