建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

4-21 デッキプレートの溶接方法を知りたい

 合成床版でないデッキプレートの溶接がショートビードと指摘を受けることがあります。特にフェローデッキなど、鉄筋先組デッキは板厚が薄く、長い溶接が難しいです。また、デッキ方向が通っている小梁上では、焼抜き栓溶接もショートビードになるのでしょうか。基準があれば教えて下さい。

▲質問一覧に戻る


A

 デッキプレートは、合成スラブ工業会の「新・焼抜き栓溶接(SPW)」の施工要領に従って溶接することになります。デッキプレート版に関する「国土交通省告示第326号」(平成14年4月)「構造耐力上主要な部分である床版又は屋根版にデッキプレート版を用いる場合における当該床版の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件」の第二「接合」(4)に定められました。これを受けて、合成スラブ工業会では、先に述べた「新・焼抜き栓溶接(SPW)」により、その適正な品質を確保するために種々の条件を定めており、この条件を全て満足しなければ新・焼抜き栓溶接としての品質が保証されないとなっています。
 その後、平成19年6月20日に一部追加された改正告示第606号が公布されました。告示に従い施工の際には、下記の条件を十分に確認の上溶接を行うとされています。

①溶接工の資格はJIS Z 3801、3841による下向き姿勢の有資格者とする。

②溶接機は交流アーク溶接機(250A以上)、エンジン溶接機(250A以上)とする。

③溶接棒はJIS D (現在JISはEです) 4316か5016に定める低水素系アーク溶接棒で棒径は4φとする。

④標準溶接条件は被溶接板厚は6mm以上、溶接電流210A±20A、隙間2mm以下とする。

⑤梁フランジの表面は黒皮または一般さび止め塗装とする。

⑥溶接後の余盛り径は18mm以上、デッキの焼切れ、余盛り不足などと溶接個所の位置の確認検査をする。

⑦施工結果報告書は施工者(工事監理者)に提出し、写しをデッキメーカーに提出する。

とあります。

▲質問一覧に戻る