建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

4-18 嵩上げ材の溶接方法は

 折板受け(タイトフレーム)、段差のデッキ受けなどの嵩上げ材の溶接について、全長溶接をすると、溶接による歪みが生じて場合によっては、大曲がりがでます。

 タップ溶接にする方法は有りますか。その場合の考え方を教えて下さい。

▲質問一覧に戻る


A

 折板受けの場合①とデッキ受けなどの場合②に分けて回答しますが、何れの場合も客先と打合せを行い、その結果を溶接基準図等に反映させることが必要です。

① 折板受けの場合

 鉄骨加工では、嵩上げ材がどの様な材料となるか、決める必要があります。参考までに、梁の上にC形鋼を取り付ける方法が一般的です。(下図①)

 タイトフレームはメーカーによって異なります。折板のせいが150mm以上の場合は、1山@300mm位のはずなので、溶接の間隔は2山分(500mm〜1000mm)とします。

 フレアー溶接の脚長は4mmあれば十分です。溶接長さ60mmあれば有効長さ50mmは確保できます。


図① タイトフレーム受け

② デッキ受けなどの場合

1) 床スラブに段差のある場合は、下図②のようにアングルなどを取付けて、梁ウエブ面とは頭付スタッドなどで、シアコネクターの役割をさせる方法があります。
 この場合の溶接方法は型枠デッキの場合が多いので、溶接長さは100mm程度で、隅肉溶接の脚長は6mm以上で、溶接ピッチ@600とします。

2) 嵩上げには下図③に示すようなCTかBTによる方法がありますが,屋根勾配などがある場合はCT・BTなどのせいが傾斜加工となります。
 嵩上げは、地震時に床面の水平力を嵩上げ材を介して梁に力を伝える必要があるので、少なくとも構造設計者の判断の上、溶接基準図に図示することが必要です。
 連続溶接とし、梁に垂直に取付けるために6mm又は9mmのリブPLを2mピッチに配置します。リブPLは両面か、交互に取付けることもあります。
 溶接による収縮(面内方向に曲がる)を避ける必要から一直線に連続溶接せずに、300〜400mmに区切って飛び石法による溶接をすると収縮量が減ります。


図② 段差のケース

図③ 嵩上げのケース

▲質問一覧に戻る