建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

2-11 小梁の鋼種変更は

 大梁SN400B、小梁SN400Aを使用する物件がありますが、小梁に関しては、SS400など400N級の鋼材への変更は可能でしょうか。

表1

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A

 基本的には、SS400に変更することは問題ないと考えます。
その理由としては、まず 2-1に掲載されている下記の2つの表を参照して下さい。

表1 鋼材の機械的性質に関するJIS規格値(板厚16mm〜40mmの場合)
表1
表2 鋼材の化学成分(%)他のJIS規格値
表1

 これらの表をみますと、SS材、SM材、SN材は、降伏点、引張強さ、伸びについては大きな差異はなく、一方SS材に対しSN材は降伏比、衝撃値、化学成分について制限が設けられていることが分かります。このSN材において新たに設けられた制限は、母材及び溶接部について主として地震時の部材の塑性確保のために設けられたものが殆どです。これが、地震国である我が国の鋼材規格の特長と言えます。しかし、SS400材は溶接できない材料という訳ではありませんので、小梁・間柱等で地震時の塑性化の心配の無い部位であればSS400材を用いても問題ないと言えるでしょう。
 なお、実際に設計者と変更の可否の判断について協議する場合には、軽微な設計変更になる可能性があることは伝えるべきでしょう。

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